AIコーディングツール比較:Cursor vs Codex vs Claude Code vs Gemini CLI
概要
AIを活用したコード生成ツールが急速に普及している中、主要な4つのツール(Cursor、OpenAI Codex、Claude Code、Gemini CLI)の比較レビューです。
本記事では、動的なファイル名生成コードの共通化という具体的なタスクを通じて、各ツールのユーザー体験と効率性を評価しています。
各ツールの特徴とユーザー体験
Cursor
特徴
- IDE(統合開発環境)内で直接コード変更を提案
- その場でレビュー・承認が可能なインタラクティブなツール
ユーザー体験 比較的シンプルなケースでは素直にタスクをこなしてくれます。IDEに統合されているため、開発フローの中でスムーズに利用できる点が評価できます。変更をGUIで視覚的に確認しながら進められるため、コードの変更プロセスが直感的です。
OpenAI Codex
特徴
- バックグラウンドでタスクを自動実行
- 最終的な結果(プルリクエストなど)を生成するバッチ処理型ツール
ユーザー体験 タスクとして勝手に後ろで実行してくれるため、指示を出せばあとは待つだけで良い点が強みです。プルリクエストの生成まで自動で行うため、大規模な変更や定型的なタスクに適しています。
課題 複雑なタスクを実行すると手戻りが発生する場合があります。大量のコードが生成された後に問題が発見された際、全体をコードレビューし直す必要があり、修正コストが大きくなる可能性があります。
Claude Code
特徴
- ターミナルベースでインタラクティブにコード変更を提案
- 逐次ユーザーが承認・レビューを行う形式
ユーザー体験 筆者が最も気に入っているツールです。IDEの中で実行されないというマイナス面もありますが、一つ一つの変更提案を確認できるため、コードレビューをしている感覚で進められます。
コードの変更プロセスとレビュープロセスが同時に発生するため、全体の効率が非常に良いと感じます。手戻りが発生しても、影響範囲が小さいため対応しやすいという利点があります。
Gemini CLI
特徴
- Claude Codeと非常に似たインタラクティブなコード生成体験を提供
- 現時点では使い勝手に改善の余地がある
ユーザー体験 機能的にはClaude Codeに近いものの、UIや表示の点でまだ使い慣れていない部分や改善点が見受けられます。変更点をその場でコードレビューできないという不満点もあります。余計な処理(ESLintの実行など)を自動で行おうとする挙動も見られ、まだ洗練されていない印象があります。
ツール比較表
| ツール | 実行方式 | 特徴 | 適用場面 | 手戻りリスク |
|---|---|---|---|---|
| Cursor | IDE統合型 | 視覚的な変更確認 | 小〜中規模の変更 | 低 |
| OpenAI Codex | バッチ処理型 | 自動実行・PR生成 | 大規模・定型的タスク | 高 |
| Claude Code | ターミナル型 | 逐次レビュー | 品質重視の開発 | 低 |
| Gemini CLI | ターミナル型 | Claude Code類似 | 品質重視の開発 | 低 |
AIコード生成を活用する際のポイント
1. 粒度の小さい指示から始める
粒度の小さい指示をした方が成功率が高くなります。大きな仕事をさせると途中で変な結果になった時の手戻りが面倒になるため、AIに複雑なタスクを一任するのではなく、小さな変更や機能追加から始めることをお勧めします。
慣れてきたら徐々に大きなタスクを任せるのが良いでしょう。
2. 必ずコードレビューを実施する
AIが生成したコードはまだ完全に信用できないため、全てのコードをレビューしたいものです。AIが生成したコードは最終的に人間によるレビューが不可欠であることを忘れないでください。
結論:用途に応じた選択が重要
現時点では筆者はClaude Codeを最も好んでいますが、各ツールの特徴から、ユーザーの好みや開発スタイルによって最適なツールは異なります。
推奨基準
Cursor
- IDEの中で変更を見ながら承認するのが好きな人
- 視覚的な確認を重視する開発者
OpenAI Codex
- バッチでプルリクエストを投げてもらいたい場合
- 大規模で定型的な作業を効率化したい場合
Claude Code
- インタラクティブなレビューを重視する人
- コード品質を最優先にしたい開発者
Gemini CLI
- 基本的にはClaude Codeとほぼ同じ用途
- 今後の改善に期待
AIによるコード生成ツールは、そのインタラクションの部分、どのように使うかという部分が異なっています。各ツールの得意な領域やユーザーの作業フローに合わせた選択が重要です。
AI技術の進歩は日進月歩のため、この評価は現時点でのスナップショットであり、状況は常に変化する可能性があることも付け加えておきます。